1・2年生の希望者11名(1年男子3名・女子4名、2年女子4名)と付添教員2名で,1泊2日の西はりま天文台研修に行ってきました。
前期末考査を終えた翌日の10月6日,心配された台風も通り過ぎて久しぶりの快晴になりました。集合時刻の9時40分までには全員が大阪駅に集まり,予定通り10時発の新快速電車に乗り,姫路,播磨新宮と乗り継いでJR佐用駅に到着。西はりま天文台までは,タクシー2台に分乗して移動し、天体に関しての講義や天体観測実習を行いました。
◇13時15分~14時30分 天文講演会「望遠鏡のしくみ」「星の明るさと色」
(本田敏先生)
天体望遠鏡の役割は天体からの光を集めることであり,集光力と分解能によって望遠鏡の性能が決まることや,屈折望遠鏡と反射望遠鏡の違い,赤道儀と経緯台を用いて望遠鏡の向きを調整することなど望遠鏡のしくみを分かりやすく解説していただきました。また,星の色や明るさから恒星の温度や組成・大きさ・動きなど様々な情報が得られることなどもお話されました。西はりま天文台の「なゆた望遠鏡」の口径2mは現在日本最大ですが,岡山天体物理観測所に3.8mの望遠鏡設置計画があり,また口径30mの超望遠鏡TMTが日本を含む5カ国共同でハワイ島に建設中だそうです。
◇14時30分~15時30分 昼間の星の観測会(60cm反射望遠鏡、太陽望遠鏡)
あいにくの薄曇りでしたが、こと座のベガ,うしかい座のアークトゥルスや火星を観測することができ,昼間でも星を観測できることに生徒たちは驚いていました。その後、テラスに出て太陽の観測を行いました。Hαフィルターを付けた太陽望遠鏡の方では、太陽のプロミネンスを観測することもできました。
◇15時45分~16時15分 なゆた望遠鏡の見学
夜の観望会は暗い中で行うので,明るいうちになゆた望遠鏡の様子を見学させてもらい,望遠鏡の操作法や各部位の様子などについて解説していただきました。
◇16時30分~17時 望遠鏡操作実習
夜に行う自由観測用の小型望遠鏡を3台借りて,実際に望遠鏡を操作しながら使い方や注意事項を詳しく丁寧に教えていただきました。
◇17時45分~ 夕食、入浴等
◇19時30分~21時 観望会参加(2m反射望遠鏡・なゆた)
公開用としては世界最大の2m反射望遠鏡「なゆた」の観望会に参加。火星,M11星団,M15星団,アルビレオ,ブルースノーボール,M110星団,海王星や天王星など、様々な天体を観測することができました。
その後、テラスに出て天然のプラネット「天プラ」を観察。夏の大三角形(ベガ,アルタイル,デネブ),秋の四辺形(ペガスス座),プレアデス星団(すばる)など、星空用の強力なポインターを使って楽しく解説をしていただきました。1等星から5等星まで肉眼で見ることができ,満点の星空に生徒たちは大満足の様子でした。
◇21時00分~22時00分 オリジナル観測会(60cm反射望遠鏡)
生徒たちの希望で見たい天体をリクエスト。すばる,アンドロメダ銀河,アルタイルなど、次々と観測していきました。
◇22時30分~深夜 自由観察(屈折望遠鏡)
天文台から借りた3台の天体望遠鏡を用いて,自由に観察・観測を行いました。冬の大三角形,オリオン座,カシオペア座など様々な星座をはじめ,都会ではなかなか見ることのできない天の川を満天の星空で見ることが出来ました。また時折現れる流れ星を見つけると歓喜の声が上がり,多くの生徒たちが夜を徹して星空を満喫していました。